08. 「弁当箱は持ち帰り」の真意

夏休みシーズンの到来で、上高地もいよいよ混雑し始めました。

お客さんの数とともに、ゴミも毎日たいへんな量です。
焼却場に集められる、バスターミナルにあるゴミ箱の可燃物だけで、
先日は一日に 100kgに達しました。すでに昨年の最高値を上回っており、
お盆休みのころ、この記録がさらに更新されるのは間違いないと思います。

お気付きになったでしょうか、そのゴミ箱のところには
注意書きが2つだけ記してあります。
ひとつは 「ここは中部山岳国立公園です。ゴミ持ち帰りにご協力下さい」
という内容。もう一つは
「弁当箱は持ち帰り」 という表示です。

この件については、この欄でもすでに何度か訴えましたが、
どちらの表示も言っている内容は一緒で、
「上高地の外からお客さんが持ち込んだものは、すべてお持ち帰り下さい」
というお願いです。

じつは、以前はもっと細かい文章で注意書きを表示していたのです。
でも、誰も読まない。
「ゴミ持ち帰り運動実施中」などと標語のように記したところで何の効果もなく、
空しいばかりです。 本当のところ“見て見ぬふり”をして捨てていく方が
ほとんどで、これが悲しい現実です。

「弁当箱は持ち帰り」は3年前、私たち自然公園財団)で話し合って、
苦肉の策として考えた表示です。
具体的に、簡潔に示さないと効き目がないこと、分別にあたって生ゴミや
銀紙(アルミ箔)、プラスチック等、やっかいな材質が多く含まれがちであること、
団体客がまとまって大量に捨てていく例がたびたび見られたこと、
などが代表選手として“弁当箱”を明示した理由でした。

表示の効果はある程度あると見ています。しかし、このような
持ち込みゴミは相変わらず なくなりはしません。

弁当はダメなのね、となにか勘違いをして、中身をみんなゴミ箱に移し、箱だけ
持って帰る方もたまにいますが、その中身・生ゴミで苦慮しているわけですから
私たちの真意を伝えることの難しさを感じます。
安房トンネル開通の負の効果で、今年は飛騨側からやってくる弁当箱が
目立って増えています。
ゴミは人とともにやってきますが、少なくとも あなたが捨てるまでは
ゴミではないのですから、上高地を安易にゴミ捨て場にしてほしくないなーと思います。


上高地ビジターセンター発行「マガモ新聞」No.179 (1998年8月3日発行)より 文責:あさお

※自然公園財団 ・・・当時の名称は 自然公園美化管理財団 。 平成14年7月、名称変更。
当時 あさおは同財団 上高地支部のスタッフでした。