
76. ディープインパクト
皐月賞につづいて日本ダービーも圧倒的強さで制し、21年ぶりに無敗三冠馬
誕生か!との呼び声も高いディープインパクト・・・という競馬の話はちょっと
置いといて、ここではNASAのディープインパクト探査計画に注目です。
これまでも月や惑星、彗星に接近あるいは着陸する探査は数多く行なわれてきまし
たが、今度の7月4日(米国の独立記念日)、太陽の周りを5.52年で回っている
テンペル彗星(9P/Tempel)に重さ370kgの探査機を衝突させ(衝突速度は毎秒10km、
衝撃力はTNT火薬5トン分にもなるそうです)、彗星の変化を観測するという人類史上
初の探査が行なわれます。
その結果、彗星がどうなるか、何が起こるのかは予想がつきません。
“汚れた雪玉”と言われる彗星が衝撃により明るくなったり、
特有の尾が伸びるといった変化が地球からも観測できるかも知れません。
しかし「ほとんど変化はない」という天文学者の予想もあり、
それ以前に「彗星に命中させることに失敗する」可能性もあるとか・・・
ホントにまったくどうなるか分からないわけですね。
テンペル彗星は夕方の南西の空にいます。おとめ座の1等星スピカの近くですが、
現在は10等級で大きめの望遠鏡でないと見えない明るさです。
もしこれがディープインパクトによって肉眼でも見えるくらいまで
増光すれば大変なこと。
宇宙に存在するひとつの天体を傷つける“自然破壊”でもあると考えると、
単純に楽しみとか美しいとは思えないかも知れませんが、このミッションは現実に
進行中でもう止めることはできません。
とりあえず夜空に注目しませんか。劇的なテンペル彗星の変化を
目の当たりにすることになるかも。

2005年7月4日(月) 午後8時30分ころの星空
中央、おとめ座の十字のところにテンペル彗星が見えます。
「ステラナビゲータ Ver.7」でシミュレーション
(written by. あさお)
浄土平ビジターセンター発行 『浄土平にゅ〜す』 No.72 (2005年6月22日発行)より