実習助手って?

実習助手は公立学校の場合、正規に採用されると「教育職」の地方公務員(教育公務員)となります。
実習助手には各自治体の管理規則等によって、「理科」「家庭科」「水産」「農業」「工業」「商業」「福祉」「看護」「特別支援」「情報」などの専門教科が設定されています。
なかには専門分野がハッキリせずに、「学校全体の実習助手」や「学校司書」のような任用方法をとっている自治体(学校)もあります。

学校教育法第60条の4によると、
「実習助手は、実験又は実習について、教諭の職務を助ける。」
とあります。

そのため実習助手は実験・実習に関して、教諭の職務を補佐する役目を担っています。
学校間格差はありますが、実験・実習以外にも校務分掌を担当したり、クラスの副担任や部活動の指導などに当たることがあります。
(ただそうしながらも、単独での生徒引率(部活動)が認められないという矛盾を抱えている実習助手も少なくありません。)

しかし、自治体によってその職務内容の程度は様々であり、ある自治体ではクラス正担任をしていたり、あるいはその自治体独特の管理規則や慣習により「〜教諭」といった職名・呼称が使われていたりと、教諭とさほど変わりない仕事に従事している場合もあります。(2008.12.25 修正)

 

【FAQ】(よくある質問集)

Q1 採用試験は、いつ頃実施されていますか?
Q2 給与・待遇について教えてください。
Q3 教員免許は必要ですか?
Q4 「2級ワタリ」って何ですか?


Q1 採用試験は、いつ頃実施されていますか?

自治体(政令市含む)によって、試験日程はバラバラです。
また、毎年同じ教科、同じ自治体で試験が実施されるとは限りません。

おおむね、7月〜翌3月までの期間に実施されています。
逆に考えると、複数の自治体を受験することが可能です。



Q2 給与・待遇について教えてください。

給与は『教育職給与表(2)』の1級に相当します。
(※ちなみに、寄宿舎指導員、講師、養護助教諭:1級、教諭、養護教諭:2級、教頭:3級、校長:4級です。)
年次休暇、その他の労働条件は他の教員と同じ扱いです。

研修につきましては、教育公務員特例法施行令により制限を受けます。



Q3 教員免許は必要ですか?

自治体によって、採用試験に教員免許を必要としているところがあります。
その一方で、教員免許を持っていたり、4年制大学を卒業していると採用試験の受験資格を失うこともあります。

法的には、実習助手には教員免許を必要としていませんが、その運用は各自治体の裁量に任されているところがありますので、詳しくは各自治体の教育委員会にお訊ねください。



Q4 「2級ワタリ」って何ですか?

実習助手として新規採用されると、給与は『教育職給与表(2)』の1級○○号(○は学歴や職歴によって変動します)が支給されます。
この1級から、2級に移行することを「2級ワタリ」といいます。

実習助手で採用され、ある一定の勤続年数もしくは必要な単位・免許を取得すると俗に言う「ワタリ」という試験の受験資格を得ます。
「ワタリ」の試験等をクリアすると、俸給の昇級や今まで制限されていたことができるようになったりします。
これは実施している各自治体によって、また教科によってもその要件やワタリ後の取り扱いが異なるようです。
例えば次のようなことが考えられます。

【A】実習教諭、主任実習助手などに職名・呼称が変わる。
【B】職務範囲が広くなる。正(副)担任が可能になる、単独での部活動の生徒引率が認められるなど。

ただし、教科によっては「ワタリ」そのものがない自治体もあるようです。
たいていの実習助手の俸給表を見ると40代くらいで実質の頭打ちになってしまうようなので、この「ワタリ」の制度は非常に重要であるといえます。

<補足>
同一の給与表で上位の級への変更について、職務の変更を伴う場合を「昇格」といい、職務の変更を伴わない場合を「ワタリ」といいます。
ちなみに「昇格」には教諭から教頭(2級→3級)、教頭から校長(3級→4級)の移行があり、「ワタリ」には実習助手の1級から2級への移行があります。

【昇級事例】

※上記の昇級モデルは、大卒・高卒ともに新卒者をイメージしています。
※職歴や担当教科、諸手当等によって変動することは十分に考えられます。
※途中から伸びている2つの点線は、仮に高卒・大卒実習助手が経年10年で教育職給料表(2)2級に格付けされた場合のそれぞれの予測です。


【参考書籍】

(★すべて絶版です。最寄りの公共の図書館や古書店等に置いてあるかもしれません。)

『学校の先生には視えないこと』 藤井 誠二著、ジャパンマシニスト社
◆教諭の補助的役割だけでない、実習助手の職務実態が取材されています。

『学校司書の教育実践』 土居 陽子他著、青木書店
◆学校司書と実習助手という兼務の間で葛藤する、著者の思いが綴られています。

『教育をになう人びと』 芝田進午編著、青木書店
◆都立王子工業高校実習助手の朝比奈健一氏による、実習助手の現状と課題が記されています。