ピュアな食感と甘さに心も浄化 旭川「The Sun 蔵人」 のシューロール 『プラタナス並木』 北海道にいくと、たがが外れたようにお土産を買いまくってしまう。旭川でも用心していたのだが、この誘惑には勝てなかった。上品な甘さの生クリームとふわふわしっとりのスポンジ、ほのかに香る栗のアクセント、全体を包んだシュー皮が超好みのおいしさ。まるで、北海道の澄んだ空気を食べているような一品。お土産に買っていくと喜ばれるはず。買ってきてほしいです。
どすこい うどん道場 国分寺「甚五郎」 小平「むぎきり」 の 武蔵野うどん 「武蔵野」にはほのかな憧れがあった。枯葉が舞い落ちる雑木林と昭和の香り漂う閑静な住宅地。純文学が似合うインテリの町というイメージである。まぁ、それだけではわざわざ足を運ぶこともなかったのだが、「武蔵野うどん」の存在を知り、武蔵野行きが必須事項になった。 「武蔵野うどん」の特徴は、地粉をつかった小麦粉の味が濃い麺。太めでコシが強い。肉(豚や鴨など)と野菜(にんじん、ごぼう、ねぎなど)が入った醤油ベースのあまじょっぱい汁に、冷水でしめた麺をつけて食べるのが武蔵野風だ。 今回は、国分寺駅北口の「甚五郎」と一橋学園前駅の「むぎきり」へ行った。 「甚五郎」で頼んだのは「鴨汁あいもり」。麺も汁も想像通りのおいしさ。鴨の脂身もいい感じだし、麺だけ食べると滋味豊かなのがよくわかる。でも、夢中になって食べても食べてもなくならないのはナゼ? 十分おなかいっぱいになったのに、まだ1人前は残っている。(讃岐で一日5食食べた私、胃は普通サイズ以上)そして、人生初でうどんを残した。おいしいのに! 江戸東京たてもの園で腹ごなしして、再びうどんやへ。全然おなかが空いてないけれど、義務のように「むぎきり」へ向かう。 「甚五郎」が駅裏の庶民派の店だったのに対し、「むぎきり」は静かな住宅地にある落ち着いた店。「肉汁うどん」は、やっぱりすごい量。ゆうに2〜3人前はある。こっちの肉汁は、豚肉で野菜の量が多く、ゆずの香りがふっと鼻を横切ったりして食欲をそそる。麺もつるつるしてコシがあってキラキラしている。舌は喜ぶが、おなかがまったをかけ、その葛藤でひとり相撲。おいしいから残すのは嫌。でも、でも〜。そしてまた、黒星。 この上なくおいしいものを前にしながら、食べることを諦めるなんて、食いしん坊人生初の挫折だった。小さめのレディース弁当を選ぶOLの気持ちがわかったよ。ありがとう、武蔵野うどん。 (上から「甚五郎」の鴨汁あいもり、「むぎきり」の肉汁うどん)
板前おまかせ中華 大井町「萬来園」の 牡蠣のからあげ 大井町の萬来園のことは、metrominの「うまいものは部長に聞け」というコーナーで知った。記事を書いたライターの腕かも知れないけれど、「おいしそうで、楽しそうで、幸せそう」なこの店にここ数ヶ月間ずっと、淡い恋心を抱いていたのである。 店は、商店街の古びた中華料理店そのもの。しかし、ただならぬ雰囲気を醸し出しているのは、中華料理店に似付かわしくない白木の清潔なカウンターに、整然とならぶお箸と皿。予約客を待ちかまえる高級鮨屋と同じである。そして、店のおじさんと息子のしゃべること、しゃべること。「さあ今日は何が食べたい? えびはおいしいのが何種類もあるし、中国野菜もハナッコリーとか空心菜とかいろいろあるよ。ハナッコリーっていうのはね……あっそうだ、今日は厚岸の牡蠣もあるんだよねー」ととめどもなく食材の説明が続く。「ハナッコリーが食べたい」とつぶやくと、「じゃあイチバンおいしい食べ方で料理するからね!」と嬉々として準備を始めるおじさん。おじさんがだまると今度は息子が同じように「これさ、おいしいから少し食べてみない?」と誘惑してくる。 この日食べたのは、「ハナッコリーの炒め物」「牡蠣のからあげ」「牛肉とだいこんの煮たの」「水ギョウザ」「甘いタレでたべる海老」「モロッコインゲンの炒め物」「マンゴプリンとあずきのプリン」。どれも素材の味が生きていて、油が軽くていくらでもいける感じ。ついつい食べ過ぎてお腹が苦しかったが、まったく後悔なし。もっともっと食べたかった! 中華料理は、料理の王様かもしれない。スピードがあって、ひとつの食材に対して調理法が何種類もあるから、カウンターでこんなエンタテインメントが成り立つのである。今回は言われるがままだったけど、そのうち「●●を●●して●●のたれで」とオーダーして、おじさんに「おっそうきたか、やるねー!」なんて言われてみたい。