親育て
ガ┃チ┃ン┃コ┃★┃冒┃険┃塾┃ 2007.3.21 ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 親育て ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 北海道の積丹半島で、痛ましい山の事故が起こりました。 吹雪にも関わらず、撮影の為にと入山したスノーモービル愛好家らによる無茶なツアー計画により、4人の方々が 雪崩に巻き込まれてお亡くなりになりました。 この少し前にも青森の八甲田山で、山スキーのツアー事故があったコトは、皆さんもまだ記憶に新しいコトだと 思います。 自然を相手にするスポーツや趣味においては、常に危険が伴います。 天候や気温の変化は元より、ちょっとした気の緩みや装備や準備や判断不足を自然は決して赦してくれません。 それは時として、悲劇を招きます。 しかし同時に自然は、人間に多くの計り知れぬ恩恵を与え、そして謙虚さを学ばせてくれます。 だからこそ、人は自然に触れると人間性を取り戻して癒されるのです。 近頃はエコブームともあって、この手の秘境ツアーを企画する観光産業も中々盛んです。 しかし、これらの秘境ツアーをリードする現地ガイドたちは異口同音に、ガイドの難しさを口にするそうです。 第一に、集団行動としてのルールを守らない。 第二に、自然や危険に対して無知である。 第三に、忍耐力(根性)がない。 これらを裏付ける記事が、産経新聞の特集に出ていました。(以下、産経webより)
01/09 18:27
03/13 10:11
≪過保護が生む堕落(1)≫
■介入してくる親
終盤を迎えている大学入試。悲喜が混在した春の風物詩の裏では、受験生の親と大学の呆(あき)れるばかりの“格闘”が繰り広げられている。
「教室が寒いと言っているので、室温を調節してください」
芝浦工業大学(東京)人事課の山下修さんは、この時期特有の苦情に、もうすっかり慣れてしまったという。受験生の母親が入試の真っ最中に掛けてくる電話だ。受験生が休み時間に携帯電話で母親に知らせ、母親が大学に連絡してくる。
昨年、同大学で実施した大学入試センター試験では、「窓の外で車のドアを閉める音がしたので気になった、と息子が言っている」という苦情が寄せられた。このクレームは、母親が高校の担任に報告し、担任が教頭に伝え、教頭が大学入試センターに連絡し、大学入試センターから大学に話がおりてきたという“一大騒動”だった。
「試験会場で本人から『教室が暑い』などと意思表示があると、『しっかりした子だ』とすら感じます」。山下さんの言葉には、「諦観(ていかん)」-そんな境地さえ漂う。
「特別教室で試験を受けさせてやってくれないですか」
複数の大学で職員を務めた女子栄養大学(東京)広報部長の染谷忠彦さんは、受験生の母親からそんな電話を受けたことがある。理由を耳にし仰天した。「うちの子は集団が苦手だから…」-。
むろん、断った。「一応心配になったので当日その受験生を見てみたんです。ピンピンしていましたよ」。あまりの過保護ぶりに染谷さんは苦笑するしかなかった。
◇
「最高学府」-。確か大学はそう呼ばれていたはずだ。そのキャンパスライフにも、あらゆる局面で親が顔を出す。
都内の理工系の大学では、5年ほど前から入学後の行事について、「ガイダンスは学生1人で参加してください」などと、パンフレットに記載するようにしている。「書いておかないといつまでも顔を出す」(大学関係者)のがその理由だ。
履修ガイダンスに自ら出席し、「どの教授の講義が単位を取りやすいのでしょうか」と堂々と尋ねる母親の姿はもはや希有(けう)ではなくなった。「『どんなアルバイトがふさわしいか』『サークルには入れたほうがいいか』という質問もあります。全部自分で面倒を見ないと気が済まないのでしょうか」と女子栄養大の染谷さんは嘆く。この間、隣席で子供はじっと座ったままだ。
大学事務室への親からの“理不尽な要求”は卒業するまで絶えることはない。
留年した学生の親からの「なぜこうなる前に知らせてくれないのか」という注文▽履修ミスをした学生の親からの「息子のために(履修を)やり直せないのか」という懇願▽宿題のリポートを自宅に忘れた学生の親からの「ファクスするから子供に渡してほしい」との連絡▽「風邪をひいて休むから教授に伝えてくれ」という依頼-。すべて、大学関係者が実際に見聞きした例だ。
そして、どうにもならないことを知ると、決まって吐く“捨てぜりふ”がある。「『高い学費を払っているのに』という言葉です」(染谷さん)。最高学府ならぬ「最高額府」-その程度の認識なのだろう。
◇
もちろん、こんな親ばかりではない。だが、「行き過ぎたかかわり方をする親は確実に増えている」(芝浦工業大学の山下さん)というのが大学関係者の実感のようだ。
そうした過保護の集大成ともいえるのが、就職活動。ここ10年で大学の合同就職セミナーに親が大挙して押し寄せるようになったという。「特に母親なのですが、企業担当者に自分の理想を蕩々(とうとう)と述べるのです。『この子には御社がふさわしい』とか、『ベンチャーはちょっと』とか」(中京地区の大学就職課関係者)。ここでも子供は行儀よく座ったままだ。
そして、わが子の就職活動が難航すると、「がんばれ」と背を押すでも、尻を叩(たた)くわけでもない。親に向けた就職説明会を開いている「親向け就職ドットコム」の矢下茂雄さんは苦言を呈す。
「就職浪人しても構わない、と逃げ道を与えるわけです。やりたいことが見つかるまでは面倒を見てやるとも言って、衣食住を与える。こういうときこそ厳しさが必要。優しさの意味をはき違えている」-。
こうした過度の庇護(ひご)のもとで育った“おとな子供”が、一人また一人と社会に巣立っていく。受け入れる企業で待ち受けるもの、それは、さらなる“喜劇”、そして“悲劇”だ。(森浩)
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過保護-。大辞泉には「子供などに必要以上の保護を与えること」とある。必要以上の歪(ゆが)んだ愛情や遠慮が、子供の、後輩の自立や成長を阻害し、結果的に不幸な道を歩ませていることが少なくないようだ。連載「溶けゆく日本人」、新シリーズのテーマは「過保護が生む堕落」。
◇
《メモ》アメリカの大学でも近年、過保護な親「ヘリコプター・ペアレンツ(helicopter parents)」の存在が指摘されている。子供に過剰なまでに介入する様子が、上空を旋回していてあっという間に地上に降りてくるヘリコプターのようであることから、名付けられた。人間環境大学(愛知)の石上文正教授(時事英語学)は「かつては皿洗いをしながら学費を稼ぐような(自立した)大学生が多かった。日本同様、アメリカでも親子関係の変質が始まっているのかもしれない」と分析している。
03/14 10:07
≪過保護が生む堕落(2)≫
「シュガー社員」-。札幌市の社会保険労務士事務所所長、田北百樹子(ゆきこ)さんは、過保護に育てられ自立心に乏しい社員をそう呼ぶ。「甘い=砂糖」の意味を込めたネーミングだ。きっかけは、労務相談で耳にした人事担当者らの悲鳴だった。
「繁忙期に残業すると、『なぜ残業させるのか』と親から電話がくる。中小企業では、親が会社に文句をつけてくるのも驚くべきことではないのかもしれません」
ある機械販売会社に勤める20代の女性社員は、あまりに仕事の進みが遅く、ミスも多かったため、上司から時間の使い方を注意された。
「親にさえ叱(しか)られたことがない」
女性社員は急に怒り出し、翌日から出社しなくなった。
「本人が辞めたいと言っていますので…」。数日後、会社に電話してきたのは母親だった。「学校を休むのと勘違いしている」(田北さん)。結局、本人からは何の挨拶(あいさつ)もなく、備品の返却や必要な退職手続きは、すべて母親が“代行”した。その姿は、自立した社会人像とはほど遠い。
こんな事例もある。
「資格を取るために勉強できるか」と聞かれ、「親に相談します」と答えた▽「娘の労働条件をすべて把握したい」と社外持ち出し禁止の就業規則をほしがる親と、それに従おうとする娘▽仕事で壁にぶつかるたびに、「やりがいがない」「自分に向いていない」と転職を繰り返す40歳近い男性社員と、そのたびに生活費を援助する母親…。一昨年夏、田北さんが常識外れの社員の言動を「実践マナー講座」としてDVDにまとめると、「社員教育に使いたい」と、地元企業からの問い合わせが殺到した。
「自分の言うことが何でも通るような家庭環境で育ったからでしょう、権利ばかりを主張し、周りへの配慮に欠ける社員がここ数年増えています」と田北さん。そして、こう“指弾”した。
「『かわいがる』と『甘やかす』の区別ができない親が多い」
◇
大手企業の関係者も、“過保護社会”の影を感じ取っている。
「御社は私をどう育ててくれるのですか」
人事コンサルタントの田代英治さんは、ここ2、3年、大手企業の採用面接で、学生からそんな質問が続出していることに違和感を抱く。
「今まで周りから与えられ続けて、自分で道を切り開く経験が不足しているのでしょうか。言われるまでただ待っている受け身の人は確かに増えました」。売り手市場のなか、「内定者に入社してもらう決め手は親あての手紙」(中堅企業)という声までも聞こえてくる。
がぜん、社員教育の比重は増す。しかし、指導する立場の上司も問題を抱えており、事はすんなりと運ばない。
3月上旬、東京都足立区の研修センターに、主に中小企業で働く20代から50代の管理職や管理職候補16人が集まった。社員教育を手がける「アイウィル」(東京)が行う2泊3日の「管理者能力養成コース」。参加者たちが熱心に耳を傾けていたのは「叱ること」と「ほめること」についての講義だ。
講座では、叱るときの注意点や心構えなども学んだが、そのなかで参加者に求めた自己採点の結果は、軒並み合格点以下だった。「叱れない」管理職たち-そんな現実を再認識するものとなってしまったのだ。
叱られた経験が少ない人が上司になるケースも増えており、年間の修了者数は10年前の約3倍に上る。最近では「叱り方」を教える本も書店に並び、人気を集める。
「部下に仕事を指示しても、『半分にしてください』『ほかの人に回してください』なんて言われてしまう。その直後に叱るべきだが、『厳しく言うと辞めてしまう』という思いや、諦(あきら)めから、結局、大抵の上司は指導すべきときにできないし、しなくなる。それが今の“普通の会社”の状況です」
アイウィルの染谷和巳社長の嘆きは深い。
◇
親と子、教師と生徒の関係が対等に近いものに変質していく一方で、「利益を上げるための組織である企業には、多かれ少なかれ上下関係や守るべきルールが存在する」(田代さん)。このギャップにつまずき、入社直後に辞める若者が後を絶たない。
「失敗してもねばり強く取り組む力」「チームで働く力」-。経済産業省の研究会が昨年初めて定義した「社会人基礎力」だ。産業界からの「学力に表れない力」の低下を懸念する声を受けたもので、そこには、「これまでは、子供から大人になる過程で『自然に』身に付けられるとされてきた」(同省)ような文言が並ぶ。
アイウィルの染谷社長は言う。
「いまや家庭も学校も本当に必要なしつけはすべて先送り。そして、会社がお金を出してうちのような研修に参加する。過保護のツケを企業が払わされているのです」
(海老沢類)
03/16 17:02
≪過保護が生む堕落(4)≫
「親はなくとも子は育つ」-。親が早世しても、子供は自身の生命力と周囲の人々の情愛により、案ずることもなく成長するという諺(ことわざ)だ。それが今や、こう揶揄(やゆ)されるご時世となった。
「親がいても子はうまく育たない」
子供を育てる前に、まず親育てを-そんな時代になりつつある。
大阪府豊中市内の府立高校で昨年秋、こんな授業が行われた。教壇に立つのは、近くに住む68歳の主婦。2年生の生徒約40人に生卵を手渡したあと、こう語りかけた。
「卵を、生まれたばかりの自分の赤ちゃんだと思って、顔を描き、名前を付けて、生年月日も決めてください」
生徒たちは顔を描き終えると、卵を自らの手で温め始めた。少しずつ熱を帯びる卵。次第に愛(いと)おしさを覚え、手放したくないと訴える生徒もいたという。
大阪府教育委員会が平成16年度から実施している、親になるための授業「親学習プログラム」だ。中高生を対象にした「親となる準備期」のほか、子育て中の親に向けた授業も「前期」「後期」などに分けて行っている。講師役を務めた主婦は、同プログラムの講義を受けた「ファシリテーター」(進行役)の一人。受講者は16、17年度合わせて約5000人に上る。府教委ではさらに19年度から、対象を、親になるまでは10年以上は要するだろう小学校高学年の児童にまで拡大するという。
◇
「温泉卵」-。大阪府教委のプログラムの作成に参加した相愛大学(大阪市)の岩堂美智子教授(発達心理学)は講演で、現在の保護者たちをこう表現することがある。見かけは成人でも、中身は半熟という喩(たと)えだ。
少子化、核家族化が進み、「子育て」に接する機会が減少するとともに、その尊さや喜び、厳しさと難しさの実体験や、「子の親になる」という自覚が乏しいまま育児を始める親が確実に増えつつある。
大阪府主催のシンポジウムでは、幼稚園や保育所の関係者から、こんな声が相次いだことがある。「衣服の着脱など(幼稚園・保育園)生活の基本的なことが、しつけられていない」「授業参観で私語をする」「自分の子供さえ良ければ、周囲に迷惑をかけてもはばからない」…。
学校現場を良く知る別の大学教授は、こう分析する。
「1980年代から、母親が子供に過干渉する『母子一体化』という流れが底流にあるんです。今の若い親世代は必要以上に大事に育てられたため、『自分が楽しむこと』を大切にする傾向がある。子育てでも、そうなりがちなのではないでしょうか」
平成元年12・4%、6年14・7%、11年17・6%、16年21・4%…、厚生労働省が5年ごとに行っている「全国家庭児童調査結果」では、「しつけや子育てに自信がない」と回答した世帯が、右肩上がりで増え続けている。そこに「楽しめないから自信も…」という図式が成立していても不思議ではない。
こんな実態を受け、文部科学省では16年度から「家庭教育支援総合推進事業」として、地域の子育て団体などに事業を委託し、家庭教育の推進を行っている。18年度予算には約9億8700万円が計上された。親の教育に血税を注ぎ込む-そういう時代になったということだ。
◇
過保護や過干渉が招いた家庭の教育力の低下は、行政が“尻拭(ぬぐ)い”をするしかないのだろうか-。それこそ「過保護では」という皮肉さえ聞こえてきそうだが、岩堂教授はこう指摘する。
「(行政が手助けをしなくても)地域社会などがしっかりしていれば、親はなくとも子は育つのでしょうが、今は子育てで相談する相手を見つけられない親が増えている。家庭と地域社会をつなぐ絆(きずな)をしっかりと作らないといけないんです」
親学習プログラムを展開する大阪府教委地域教育振興課の担当者も、「行政が地域と親を結ぶ“井戸端会議”の場所を提供していると考えてください」と説明する。
親力低下の事態は深刻なのだろう。ニーズは大きい。「親育て教育」は全国に広がりつつある。
栃木県では、大阪府を視察したうえで18年度から、一部地域で実施している。同県生涯学習課では「しつけ、生活管理、善悪の判断、他人への思いやり…。最低限、家庭でお願いしたい教育が、現状では十分になされていないのです」と話す。
埼玉県でも、大阪府の親学習プログラムを「先駆的事業」(教育局生涯学習文化財課)と評価。すでに視察を終え、プログラムを作成中だ。
子を持つ親だけでなく、「ポスト親世代」をも対象にした親育て教育の拡大。その先には果たして、「親がいて、子がうまく育つ」時代が待っているのだろうか。
(村田雅裕)
03/20 10:31