売買手法の研究 1.売買指針の決定
| [1.売買指針の決定] |
| 先ず始めにお話しすることは、相場の方向性を見るための基準を決めなければならない事です。これには基本的にテクニカル分析を利用することになるのですが、ファンダメンタルズ(基本的な相場変動要因)分析を否定する訳ではありません。しかしファンダメンタルズでは値動きに規則性を見出すことが出来ませんし、同じ材料が時によって逆の動きになる場合もあることなど、安定的な判断の指針にするのは至難の技といえるように思います。そこでテクニカル分析という話しになるのですが、これには移動平均線や相対力指数のような一般的なものから、とてもマニアックなものまで数え切れないほどもあります。また同じ分析方法でも時間足、日足、週足など期間によってそれぞれのパラメーターの設定も考える必要もありますから、これらを掛け算しますと天文学的な数字になってしまいます。始めは簡単なもの、単純なものから始めるのがよろしいと思います。目的は売買の指針として相場の方向性、つまり上昇もしくは下降の判断が出来ればよろしいのであって、乱暴な話しですが始めのうちはその正誤は問題ではありません。 - |
| [●指針となるテクニカル分析を習得] |
| 一般的なテクニカル分析法には、移動平均線、一目均衡表、相対力指数、ストキャステクス、トレンドライン他etc、古典的なものの代表は酒田五法、海外ではギャン理論やエリオット波動、最近はサイクル理論なども注目されているようです。またテクニカル分析はチャート分析と言い換えることが出来ますので、コマ足や新値足などもその範疇に入ります。次に、テクニカル分析でのパラメーターの設定はある意味でその分析方法よりも重要なファクターともいえます。パラメーターというのは、仮に移動平均線であれば「○○日平均線」といいますが、この時の○の中に入る数値を意味します。この数値の違いで相場判断は360度変わってしまったりするのです。テクニカル分析を習得するというのはこのような一連の作業全般を意味し、銘柄を選定する段階から始まり、分析方法は当然のことですし、その期間の決定やパラメーター設定なども含まれます。 - |
| [●継続することで得意技に] |
| 色々と試行錯誤してひとつのテクニカル分析方法を決定しますと、次はそれを実践する段階に入ります。もちろんこの後でお話しする細かな売買ルールを決めてからのことですが、その段階で直面する問題はなかなか儲けられない、ということでしょう。そんなに簡単に儲かる訳がない・・これは認識の範囲であるはずですが、どうしても良い結果ばかりを求めてしまうものです。売買手法とはその失敗の中から常に微調整を繰り返して作っていくものですから、失敗を恐れていても、卑屈になってしまっても先に進みません。ある程度の損失は授業料くらいに考えほしいと思います。またシミュレーションでの研究はデータを取る分には問題ありませんが、実際の売買とは根本的に別物とお考え下さい。売買手法は現実的な損益を実感することによって磨かれるものです。従って、この段階で最も注意することは資金管理という事になります。
ひとつの売買手法が有効に機能するのか、または無効なのか、この問題はある程度の時間を掛けて実践してみなければ結論は出せません。多少の損失ですぐに目移りするようではどんな方法を試しても売買手法は確立できませんし、仮に失敗作であったとしてもその結論に達するまでの努力が無駄になることはないでしょう。 - |
| [●あれもこれもは身につかない] |
| 以前からよく言われる話しですが、複数のテクニカル分析を同時に活用しても効果が高まるものではないようです。複数の指標は複数の指針を導き、結果的に判断を複雑にしてしまう可能性があります。指針にするものは単純なものほど利用価値が高いと思いますし、多くのことを同時に研究することは、全てが中途半端になってしまい逆効果という場合もあるのです。仮にAという指標で「買い」、Bでも「買い」とシグナルが出たとしても相場の上がる確率が2倍にはなりません。今回はトレンドラインを売買指針に利用した売買手法をご説明いたしますが、たった一本の線を引くだけのことにも無限の奥行きがあります。 - |
| [●トレンドラインの実例] |
では、ここから売買手法の話しを進めていきたいと思います。トレンドラインの基本は非常に簡単な原理から成り立っており、値動きをグラフにしたものを基にしてグラフの山と山、谷と谷を直線で結ぶことによって描かれるものです。右の図は実際の値動きに任意の線を山と谷ごとに引いたものです。これ以外にも多くの線が引けると思いますが、このように無秩序にラインを引いてしまいますと売買の指針に利用するのが難しくなってしまいます。沢山の線を引いても判断がつかないのでは意味を成しません。 トレンドラインにはその線の形から、ウェッジ、ペナント、フラッグ、チャネルなどの様々な呼び方とそれぞれに判断方法があります。これについても始めは出来る限り単純に考えられるものが望ましいと思います。新しい山や谷が出現すたびに線を引き直していては基準にすることは出来ませんし、複数のラインはやはり複数の判断を生んでしまうものです。極力1つ2つに絞ってご研究するのがよろしいでしょう。 - |
| [*トレンドラインの実例/チャネル] |
左の図はチャネルと呼ばれるラインの引き方で、実体線を上下に挟む平行線が特徴です。このチャネルは上昇時のライン角度や下落時のライン角度がどの時点でも同じように引くのが理想です。その事によって、トレンドが変化した瞬間に次のラインを引くことが出来るようになります。この図で特徴的なのは○で示された部分です。チャネルの平行線を飛びぬけているこの部分は一般的に「イレギュラー」とか「騙し」というように表現されますが、問題はこの時のラインの引き方です。無理に他の谷へ線を繋いでしまいますとチャネルの意味がなくなってしまいますので、この場合は独立したラインをチャネルと平行にサブライン(点線)として引くようにします。このサブラインはチャネルの内側にも存在し、売買方針を決める場合やストップの設定時に重要な役割を果たすことになります。 トレンドラインの引き方を詳しく説明しますとそれだけで一冊の本が書けてしまうほどの量と質があります。今回のお話しの主題はこの先にありますので、この項ではトレンドラインのチャネルを売買指針として利用する・・という事でまとめておきます。 - |
| [*トレンドラインの実例/名称] |
![]() 右の図で各部位の名称を簡単に説明しておきます。 @ アップトレンド A ダウントレンド B レジスタンス(抵抗線) C サポート(支持線) 後々、@とAは何度も出てきますが、特に説明の必要はないと思います。混乱しやすいのはレジスタンスとサポートで、アップトレンドとダウントレンドでは上下の線の名称が逆になってしまいます。そこで、上値抵抗線、下値抵抗線または上限、下限というように覚えますと間違えようがないでしょう。本質は表現の問題ではありません。 - |