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10/01/24
明けましておめでとうございます。
今年は2年振りに5月頃に窯を焼く予定です。次回3回目の窯は〜感謝の心〜需要と要望に応える仕事〜と題し、年末から食器中心の作品を制作しています。まだまだこれから沢山制作しなくてはならないですが、工房の壁はスレートだけで断熱材がないので気温は外の気温と大差なく、暖房をしても連日氷点下になる為になかなか捗りません。何せ氷点下になると、たちまち制作した作品が凍りバラバラに割れてしまいます。既に年末大晦日まで制作した作品が元旦の朝凍ってしまい、1週間分の仕事が無駄になりました。前回の制作も随分凍って割ってしまったので、作品をクッションビニールで二重に囲って気を付けていたのですが、予想以上の氷点下で凍ってしまった。あと片付けも大変で情けない年明けでした。
今は制作した作品を窯の中でストーブを寝る前に点けて凍らない様に乾燥しています。暖房代も加算で大変な毎日です。年末の年賀状も10日掛かって今年250枚手書きしましたが、夜に書いていると直ぐに筆と絵の具皿が凍って書けないので足元のストーブで溶かしながらも感謝の気持ちと新年の祈りを込めて「心の雪解け」の絵を何とか書きました。大変辛い筆作業でしたが、心が届いたのか多くの励ましとお礼の年賀状を頂き、本当に頑張って書いて良かったと実感しています。皆さんに支えられて生きていると感じた年明けでした。
今日の制作はタタラ成形(粘土を板状にスライスした)で銘々皿を制作中です。来週からロクロで食器を造ろうと思っています。今回の窯は造りたいオブジェや造形花器の制作は時間的にも経済的にも両立できそうになく、公募展などへの出品もまた先送りになるでしょう。しかし私を支えて生かしてくれているのはお金を出して買ってくれるお客様です。公募展の審査員や県やギャラリーのオーナーでもありません。公募展入選や県の選抜等、実績と評価とされる何の肩書きも持てずとも、最後はお客様が買ってくれる作品であるかどうかが本当の評価であると思っています。めくらで見栄っ張りは肩書きだけで買う人々もいるでしょうが、そのような人々そこへ行って貰い、私の作品を見て感動して買ってくれるお客様の為に感謝の制作をしています。自分の我を通し、公募展などで評価を得る作品造りだけでは道楽と見栄と思っています。
生き抜く為には芸術もプロ作家に拘りたいです。世の中に為になることが仕事。仕事なら我慢の連続も当たり前。その我慢の末できた器に感動があれば器も芸術です。今回は感謝の心、プロ魂の食器に拘り制作しています。この厳しい氷点下の冬の制作も生ぬるい気持ちではくじけてしまいます。感謝の気持ちを忘れず、心に魂の炎を燃やし制作すれば、きっと乗り切り、感動して頂ける器ができると信じ精進します。
08/09/25
私は長年、安い駄賃で備前焼の陶工として働いてきましたが、まともに日当が稼げる世界ではありませんでした。工賃は、ぐい呑み1個65円、湯呑み1個100円からスタートして殆ど値上がりすることもなく、賃引き、窯焚きをこなして、果てしない独立の旅に出ました。18年の歳月が過ぎ、ようやく初窯にこぎ着けた時には既に40半ばになっていました。
自分で土地探しからスタートして、造成、窯屋根、窯、住まいの小屋、工房と、陶工をしながら5年の歳月をかけて初窯までこぎ着けました。周りの窯元2代目、3代目や保証人のいる人達は10年以内に独立しますが、そうでない環境の人は一生陶工か、諦めて転職しています。転職した人達も随分見てきました。女性の場合は、作家の嫁さんになる人もいました。陶芸作家を心差して独立にこぎ着けたのは、同級生では1割以内と思います。独立しても廃業に追い込まれて元の陶工に戻ったり、日雇いに行ったりしている人々も、兄弟子達を始め、沢山出ています。
このような状況でも、私は独立以外の欲を捨て、夢に向かって意地だけで踏ん張ってきました。ただただ、芸術作品を形にするという幼い時からの目標を達成すべく、自分を信じ、生きている間に作品を作りたい一心からでした。昨日までの苦労は今日になれば昔話。
今は、与えられた環境の中で、自分の生き様を残すことが人生の目標です。自分自身に恥さえしなければ後悔のない人生のような気がしています。陶芸作家としては遅咲きのうえ、独立してからも遠回りをしていますが、これが私の人生であり、遠回りな分想いが蓄積され、心の中で作品を創り続け、実制作に入った時迷いなく魂を込められています。今までの遠回りは遠回りではなく「堪忍の徳」、つまり、技術を磨くも作品を磨くも忍耐であると感じています。だから、作品創りは、人生を通し見たり、感じた想いの蓄積が形になって現れる、自分自身の魂の姿と感じています。
08/09/24
今年は3月に2回目の窯を焼くことができました。窯出しして作品と窯と窯道具の手入れも終え、個展も3ヶ所で行い、合計約1,000人の方々に会場に来て頂きました。ありがとうございました。
皆様に作品発表するまでには、表には見えない様々な作業があります。個展搬出作業を終え、桐箱の箱書き、事務的作業を終えた後、今年もまた、8月の暑い時期に割木作りを行うはめになってしまいました。雑木と赤松の原木や建築廃材を、チェーンソーと鉞で1ヶ月半ひたすら割り続けました。燃料の木材は、冬に1ヶ月半あちこちで伐採したり、建築廃材場でチェーンソーを片手に調達していました。初回の初窯も今年も、原木集めから割木作りを終えるまで3ヶ月、燃料作りの作業期間が必要でした。蒸せ返るような暑さで流れる汗、しばしば変頭痛と腰痛を起こしながら、毎日無言の作業を行い、次回の窯焚きの燃料を作り終えました。冬にすれば少しは楽になりますが、窯を焼く周期が半年ずれているのです。しかしこれも、あまりに多くの作業がある為に起きている、やむを得ない現状です。
今は、粘土作りや、作業場の入口に粘土置き場となる作業スペースを作るための軒造りの作業をしています。連日のサビ落とし・サビ止め塗りで作業着も赤茶色になりました。軒の完成後は、自宅周囲の草刈り、部落の草刈りをして、粘土作り、作業場の作品乾燥棚造りをします。新規展示発表のための陶器商、個展会場へのアプローチ、交渉も必要です。
これらが済んでようやく作品創りに入れます。今年の予定も既に1ヶ月ずれ込んでいて、次回の窯焚きも来年春先までは無理な様子です。私の場合、全ての作業を一人でこなし、納得いく作品創りをして、窯を出すまでには1年以上かかってしまいます。他の作家さん、窯元さんとは異なり、作品創り以外の作業が多い分、窯の火入れまでに期間を要してしまいます。薪割り機械を購入できれば燃料作りが1ヶ月短縮できるのですが、なにせ高額なので数年先でしょう。まだ窯道具、粘土も随分足りないし、作業場2階の展示室も未完成です。土地も狭いので、隣接する土地を買い足して割木・原土置き場、お客様駐車場を用意することも必要です。
この時代、備前焼の一代目は、容易に満ち足りたことができるものではありません。私は生涯、このように一杯一杯の毎日かもしれません。しかしこれが、今に生きる私の人生です。周りがどうであれ、私に与えられた人生の中で、一点一点納得のいく作品を産み出すのみ。決して創り終えることのない無限の造形美を模索し、追求し、提案し、私の分身を未来に残すのです。
私の仕事のやり方は、周りの人々には遠回りに映るかもしれません。しかし、人はそれぞれ、生まれ育った環境の中で与えられた選択肢の下で生きています。私のこれまでの人生も、あまり選択肢のある人生ではありませんでした。陶芸界に入ってからも同様で、独立もやむを得ず周りより10年遅れました。遅れたのは単に独立資金がなかったからです。備前焼で独立するには、土地取得、窯、窯道具、陶芸道具、粘土、燃料、工房、住まい、運転資金、生活費など、普通に築炉屋さん、建築業者さんに依頼して立ち上げると最低2千万円は必要です。今の時代、窯を作るからと言っても、銀行等は余程の担保と保証人がなければ1銭も貸したりしません。30年位前には、備前焼をすると言うだけで無担保でも独立資金を貸してくれたそうですが。
08/09/15
日毎涼しくなってきました。割木作りを終え、軒のサビ落とし・ペンキ塗りをしています。来週末出来る予定。その後、工房2階床・階段を造ります。材料を買って来て今月中の完成を目指します。年内は凍るまでに制作期間が短いので焼くのは春先5月に繰り越しになりそう。
08/07/20
当面は、個展のお客様への礼状書き、個展出品作品の整理をします。その後は、工房の2階(ギャラリー)造りで、軒のサビ落とし、スレート張りなど、夏の間は主に大工仕事の予定。
08/07/11
ギャラリーでの販売2日目。お客様の評価は大変好い。今日は津山朝日新聞の夕刊に取材記事が写真付きで掲載されました。